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事業承継とは?経営者が知っておきたい基礎知識と成功への対策方法

事業承継とは

事業承継とは言葉の通り、事業を引き継ぐ事です。
中小企業の経営者や関係者が納得して引き継いで事業を存続していくには、どのような準備をして進めたら良いのでしょうか。
ここでは、事業承継の概要から成功させるために押さえておくポイントをご紹介いたします。

1.承継とは?

1-1.後継者に事業を引き継ぐこと
事業承継とは事業を承って継ぐことを差します。これまでの経営者ではなく、新たな経営者にバトンを渡すことを差します。経営のトップだけが変わることもあれば、トップを据え置きに、ある企業グループの一員になることで事業を存続させていくことも差しています。少子高齢社会でご高齢の社長が次の後継者を探すことや、コロナ禍で事業の立ち行きが悪くなり、後継者を探すなど、昨今の時代背景からニーズが拡大しているものとなります。一方でまだまだ事業承継に馴染みのない方が多く、何をどう考え、準備すべきなのか分からないという経営者が多くいます。経営者の皆様が事前に知っておくべき項目を紹介していきます。

1-2.後継者に引き継ぐ3つの経営資源
承継といっても具体的に何を引き継ぐのか。ざっくりと経営権を渡すようなイメージを持たれるかと思います。先代と後継者とで引き継ぐ項目を調整しますが、基本的には会社活動に纏わる全てが引き継がれると思っていいでしょう。具体的に以下が引継ぎの対象とされています。

1-2-1.経営
後継者に渡されるものの一つに、経営権があります。これはイメージ通りと思いますが、 事業の舵を取るポジションを別の人間に託すことになります。経営権が別の方に代わるだけで、会社に大きな影響を及ぼすことが多くありますので、事業継承において、ただ経営者が変わるということだけではなく、後継者が誰なのか、どんな考え方の持ち主なのかということも非常に重要です。

1-2-2.資産
事業を行ううえでの資産もまた、引き継がれます。企業にとっての資産は現金以外にも自社株や売掛金、在庫、証券など様々なものがあげられ、事業を行う上で必要不可欠な物や会社として得た動産も不動産も対象になります。

1-2-3.知的資産
その会社が持つ人材や情報、技術、データベースなどが対象です。知的資産はどこまでが受け継がれるべきかケースバイケースではありますが、これについても事業を行う上で必要不可欠になるものや事業を通して得たものは対象となることが多いです。

1-3.事業承継と事業継承の違い
事業承継を行う上で、よく事業継承との違いを聞かれることがあります。世間では事業継承の方が多く使われているため、事業承継の響きに聞きなれない違和感を覚える方も多いようです。どちらも意味としては大きく異なりませんので、どちらを使っても問題はありません。ただし、少しだけ意味が異なります。事業承継は事業を承って継ぐことです。つまり、先代の考え方や事業への思い、コンセプトや決まり事などを理解し、それを受け継いでいくことを差しており、承ることが前提で継がれているということです。反対に事業継承は継いだものを承ります。継がれることを前提に承っていますので、経営者というポジションのみが継がれていることがイメージでしょう。つまり、先代のビジョンを受け継いで後継者がいるのか、それとも席だけを譲り、後継者の考えで事業展開をしていくことなのか、という違いがあります。

2.なぜ事業承継が必要なのか

2-1.事業を存続させ、廃業による損失を防ぐため
事業承継のニーズのほとんどが先代の何らかの理由で事業継続が困難になるケースです。ご年齢による限界や家庭の事情、転居、会社経営に対するモチベーションの低下や業績の悪化、資金繰りの厳しさで、会社の経営を続けられなくなった何かしらの背景に対して、廃業ではない別の選択肢として事業承継があげられます。廃業をしてしまうと、その企業が持つお客様や関係する取引先、何より従業員に大きな打撃を与えてしまうことから、何とか廃業をしないで事業を存続させる方法を探る必要がります。事業承継はそういった状況を打開することで周囲の損失を防ぐことが目的とされています。

3.中小企業での事業承継成功への3つのポイント

3-1.後継者候補を見つけられるかが最大のカギ
事業承継をしたいと思っても全てが成功に行きつくわけではありません。成功に導くためには以下のポイントがあげられます。

3-1-1.候補 ①親族内承継
まずは経営者の親族のなかで承継されることです。親族内承継は先代の子供や親戚などから選ばれるため、後継者が見つけやすく、先代の想いを受け継ぐことがし易い選択しです。特に親子関係があった場合、後継者が幼少期から先代の背中を見ていたこともあり、承継する前からある程度の知識やノウハウ、社内との人脈を思っている可能性もあります。先代にとっては後継者との関係性が近いことから、承継後も意見やアドバイスがしやすく、外部から新たに経営者を招くよりも、安心感を覚えやすい特徴があります。

3-1-2.候補 ②親族外承継
親族外承継は文字通り親族外から後継者を選定します。親族内の承継は上述通り先代と距離が近い人間がアサインされることで、ビジョンの承継がされやすいことがあげられます。一方で先代がこれまで背負ってきた重圧やしがらみを親族に背負わせたくないという思いや、親族に事業を継ぐ意思がないなどのことから、親族外から後継者を選びたいというニーズにつながります。また、特段経営の勉強をしてこなかった方が後継者になるケースが多い親族内継承に比べて、経営経験者に任せることができるため、承継後の心配する必要があまりないという特徴があります。ただし、外部から適任者を探すのは特別なコネクションがない限りは非常に難しいもので、やっと見つかったと思ってもいざ面談してみればどこか懸念を持ってしまい、仕切り直し、ということも少なくありません。外部から探すリソースがあるのかどうかが非常に重要になります。

3-1-3.候補 ③M&A
M&A企業が企業を買収することです。事業承継におけるM&Aは経営者の一人がかわるのではなく、新しくどこかの企業に加わることになります。資金的に経営が圧迫されていた場合などによく取られる手法となりますが、買収後も社長が続投する可能性もあります。親族内承継、親族外承継とは少し性質が異なる存続方法です。

3-2.承継に時間を要するので早期に取り掛かる
事業承継には時間を要します。後継者を探すのに時間がかかるように印象を持ちますが、企業の価値算定や引継ぎ事項の洗い出しなどです。他にも先代の決心にも意外に時間を要するものです。事業を承継することが決まり、最終局面になってもなお、本当にこれでよかったのかと最後まで選択を悩み、迷う方が大半です。その最後の最後の決心を、周囲の人は無理に背中を押さずに静かに待つこともあります。そのため、必要なタスク以外にも十分に時間をかけて成立する事業承継が多くあるのです。

3-3.後継者候補を教育できる体制を作る
後継者になる方が事業承継後もスムーズに業務対応できるように、先代は後継者に対して教育できる体制を整えておくべきでしょう。トップだけが変わる場合、後継者になる方の難易度は思いがけないほど高く、そして重圧があり、簡単に変われるものではありません。先代からの支援が極寒の中の一枚の温かい毛布に思え、この上ないサポートになるでしょう。

4.事業承継を見据えて準備をしておく

事業承継の相談は、会計士や親族、取引金融機関などがありますが、専門家では無いことの方が多いでしょう。マイナビ顧問では、事業承継の支援も行っております。事業承継は経営者や企業にとって一大イベントですので、複数人に相談して行動すべきと考えます。事業承継だけでなく、事業成長や事業課題の解決に長けた人材が揃っているマイナビ顧問に、ぜひ一度ご相談ください。

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