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英国のEU離脱決定の実態から見る、企業選択時の留意点

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英国は欧州連合(EU)離脱を決定したが......

EU離脱決定後、自らの投票を後悔するイギリス人が少なくないと言われています。さらに、驚くことに「EUを離脱したら、何が起きる?」「そもそもEUとは何?」「EUの加盟国はどこ?」などという極めて基本的なことがネット上で多数検索されているとのこと。もちろん、政治・経済についても他の事柄と同様に、それに対してどの程度の関心を持つのかは個人によって差があって当然ですが、なぜ、このように離脱を決定後、投票者が後悔するようなことになってしまうのかというと、それは、投票がイメージ(感情)によって行われたからにほかなりません。理屈(理論)ではなく、イメージ(感情)だけで判断し、選択されたからなのです。

「政治」「人事」「購買」など、すべてにおいて「感情」が優先される

ここで、私たち人間の「性質」について、ひとつ確認をしておきましょう。それは、私たち人間が「感情」で物事を判断し、選択する生き物であるということです。つまり、「理屈(理論)」は後回しだということです。日常生活のあらゆる場面において、「イメージだけで」「なんとなく」「ノリ(雰囲気)で」物事を判断したり選択したりしているのです。これは意識をしなければ、なかなか認識しにくいことですが、どんな人にも当てはまっていることです。このことを意識して、少し世の中を見渡してみればよくわかります。例えば、「商品パッケージのデザインだけで、美味しそうな食べ物だと判断し購入する」「テレビCM(演出)で、価格が安い(買う価値がある)と判断し、その商品を購入する」「見た目(服装)だけで、優秀そうな人だと判断し取引する」「期間限定商品という告知を見て、購入しなければ損だと判断し購入する」などです。これらはあくまで一例ですが、後から理屈で考えてみれば、その判断・選択が正しくなかった(ベストではなかった)ということは往々にしてあるものです。

私たちの企業(仕事)選択時にも同じようなことが起こり得る

そして、私たちが企業(仕事)を選ぶ際にも、「感情(イメージ)」で選んでしまうということがあります。実際に、日頃、私が会う人(学生・社会人ともに)の中にも、そのようにして企業(仕事)を選んだ人が一定の割合でいますが、後悔するようなケースも多く見られます。まさに、今回のEU離脱決定で後悔してしまったイギリス人のように。

例えば、
・企業説明会の雰囲気が良かったというだけで、その企業へ入社を決めてしまう。
・業界大手だから安定しているだろう、というイメージを持って入社を決めてしまう。
・営業職は、ただ単にノルマに追われるだけの仕事、というイメージを持って選択肢から外してしまう。
・自分が好きな商品を提供している企業だから楽しく働けそうだ、というイメージを持って入社を決めてしまう。
など。

しかし、実際に入社してみると想像していた雰囲気とは異なる会社であったり、安定したイメージがあったのにそうではなかったり、営業職にも面白さ、やり甲斐があることに気づいたり、消費者としてみた場合と労働者(商品提供者)としてみた場合の企業がまったく異なるものだったと気づいたり、などということが結構あるのです。もちろん、どのような軸で企業選択をするのかは個人の自由ですが、これらの例からも分かる通り、企業(仕事)選びは「感情」ではなく「理屈」で考え、行なっていくべきでしょう。そうしなければ、後になって後悔してしまう可能性が高まってしまうからです。





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【著者】
松本晃秀(リープクリエーション合同会社 代表)

リクルートグループを経て、株式会社電通にてメディア、エージェント業を学んだ後に独立。
「東証1部上場企業から中小零細企業までの500社」と「就職・転職・独立したい個人1000人」に会い、その経験をもとに「成長」「キャリア」「雇用」「独立」などをテーマとした個人発行として日本有数のオンラインメディア「21世紀独立論」を企画・運営。現在は、法人・個人のコンサルティングのほか、広告ビジネス、セミナー・講演なども行う。

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