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経営課題の見える化と分類に使える効率的なフレームワーク9選

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経営課題が解消されずに困っていませんか。解消されないのは解き方を知らないからかもしれません。数学の問題は公式などの解き方がわからないと回答できないように、経営課題もフレームワークという解き方を使用しないとなかなか解決できないようになっています。
努力と根性で解決するという方法もありますが、あまりおすすめはしません。フレームワークを活用したほうが的確かつ早く解決できるからです。
また正確な状況判断や意思決定のスピードを上げるのにもフレームワークは使えますので、今回は経営課題を解決するのに使えるフレームワークを9つほど紹介していきます。

1.経営課題は複数の課題を内包している

経営課題は1つではありません。たいていは複数の課題が一挙に存在しています。そのためまずは存在している課題を分類する必要があります。

1-1.現在進行形の課題

まずは現在進行形となっている課題です。人は多くの課題を抱えていますが、法人である企業も例外ではありません。企業もまた多くの解決すべき課題を抱えています。
解消できるものは順次片付けていきますが、解決する順番を考えるのも忘れないでください。ヒト、モノ、カネなど会社で使用できる資源は有限です。今抱えている課題をすべて一挙に解決するだけの資源を持っていることはほとんどないので、「何から片付けるのか」を考え、優先して片付けるべきところから取り組んでいく必要があります。

1-2.将来的な課題

目の前の課題を解決していくのは大切ですが、それだけをしていても会社は良くなりません。将来的に発生する課題についても考えていく必要があります。年数がたつとメインの消費者の年齢も上がっていくと嗜好が変化するなど、時間によって変化するものがあり、変化したことが課題になることも少なくありません。そうした将来のリスクについても考えておく必要があります。
ですがテクノロジーやツールが発達した現在で未来を正確に予想するのは困難です。そのため一つの未来を想定するのではなく複数の未来を想定し、それぞれで発生しうる課題を想定しておく必要があります。

1-3.経営戦略における課題

「新しい事業を始めたいが、必要な人材が足りない」、「さらに事業を拡大したいけれど資金が不足している」など経営に関する課題も多く存在しています。そうした経営課題を解決するツールとしてコンピューターやAIといったものも登場しています。そうしたものを活用すれば効率よく課題が解消されるように思えますが、頼りすぎないように気を付けてください。
ツールに頼りすぎると人材の育成が後回しになり、後継者問題など別の問題が出でいることもあるからです。またツールも万能ではありません。ツールで対応できないときは人の手で行う必要があり、人材の育成が結果として求められます。

2.経営課題を明確にするフレームワーク

2-1.誰でも使えるフレームワーク

経営課題で使えるフレームワークには様々なものがあります。その中には汎用的なものがある一方で特定の立場の人にしか使えないものも存在しています。まずは誰でも使えるタイプのフレームワークにはどんなのがあるのか見ていきましょう。

2-1-1.ロジックツリー

経営課題に対してひたすらWhy(なぜ)を繰り返し問いていき、課題の正体を具現化するときに使われるフレームワークです。課題を掘り下げていくことから深いところまで見られますが、あぶりだす課題を漏れなく拾い上げないと本当の意味で解決すべき課題が見えないこともあります。
Whyを問い続ければ課題は見つかりますが、解決策まで見つかるとは限りません。解決策が見つからないときはHow(どのように)を問うようにしましょう。Whyと同様、How(どのように)を問い続ければ具体的な解決案が見えてきます。

2-1-2.MECE

MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」であり、「漏れなく」「ムラなく」経営課題を分析する手法です。課題を分析すると様々な事象が複雑に絡み合っていることも少なくありません。MECEではそうした事情をより細かく分析してシンプルに取り組む課題をあぶりだすようにします。
またMECEにはトップダウン型とボトムアップ型の2つがあります。トップダウン型は全体を見てから徐々に各要素を具体化していく方式です。ボトムアップ型は逆に個々の具体的な事情を集めて全体像を把握していく方式です。どちらが優れているということはありませんが、状況に応じて適切なほうを選ぶ必要があります。

2-2.経営者向けフレームワーク

今度は経営者向けのフレームワークです。経営者は会社のことだけでなく市場や競合他社など会社を取り巻く環境も見る必要があります。

2-2-1.SWOT分析

SWOT(スウォット)は会社の状況をStrength(強み)とWeakness(弱み)、Opportunity(機会)とThreat(脅威)のそれぞれの観点でチェックして、環境分析する手法です。各視点で分析したら、今後どのようにするのかを決めていきます。たとえば強みの要素が弱みをカバーできるのであれば、弱みはとりあえずそのままにして強みをひたすらに伸ばしていくなどが挙げられます。

2-2-2.TOWS分析

「SWOTで判明したことをどう生かせばいいのかわからない」という時はTOWS(トゥーズ)分析をしてみてください。SWOTの4つの項目を立て横に並べて戦略を構築していく手法です。S(強み)とW(弱み)、O(機会)とT(脅威)をそれぞれペアにして、縦横に並べて重なったもの同士を組み合わせて戦略を作っていきます。この時大切なのが「書き出すとチェックを繰り返す」こと。1回だけでは良い案が出ないこともありますので、何度も繰り返して納得する答えを作るようにしましょう。

2-2-3.VRIO分析

VRIO(ヴリオ)とはValue(経済価値)、Rareness(希少性)、 Imitability(模倣可能性)、Organization(組織体制)の4つで経営資源の有無を判断する方法です。社内の事業部で希少性を生み出せる活動ができるかどうかや、他社にまねできないものができるかどうかなどの観点で会社や事業部を判断します。
VRIOで判断するときは市場の状態もチェックするようにしましょう。たとえばR(希少性)を持っていたとしても市場の参入が多くなり、競争が激しくなったことから自社のR(希少性)が生かせなくなったなど、予想していなかったことが起きる場合もあるためです。

2-2-4.バリューチェーン分析

「自社だけにしかできないことは何か」を知りたいときはバリューチェーン分析をしてみてはいかがでしょうか。バリューチェーン分析とは自社が生産するものの流れを分析し、チェーンのようにつないで考える手法です。
各プロセスの内容が明確になることから、今まで気づかなかった自社の強みやオリジナルに気づけるようになります。ただし自社だけでは強みがわからないこともあります。そうしたときは他社のバリューチェーンも分析してみましょう。他社との比較をすれば自社の強みがよりわかりやすくなります。

2-2-5.ファイブ・フォース分析

積極的に事業展開するのは良いことですが、時には撤退をしなければいけないことがあります。とはいえ撤退するには明確な根拠が必要です。そうした根拠を探したいときは「ファイブ・フォース分析」がおすすめです。
ファイブ・フォース分析は「競合業者」「新規参入者」「代替品」、「売り手(供給側)」「買い手(購入)」の各視点で分析して、展開するか撤退するかなどを判断します。基本的には現在の状況だけで大丈夫ですが、今後の要因も加えると説得力が増します。

2-3.経営戦略に使えるフレームワーク

2-3-1.PEST分析

PEST分析とはPolitics(政治)、Economy(経済)とSociety(社会)、Technology(技術)の4つの視点で経営課題を分析する方法です。Pであれば「消費税が増えた」、Eであれば「ある国とFTAが締結された」、Sならば「高齢者が増えた」などの観点で分析を行います。政治や経済など会社を超えた視点で判断することから経営戦略として用いられることが多いです。基本的には経営者の戦略構築に用いられますが、経営者候補を育てるためのツールとして使われることもあります。

2-3-2.アンゾフの成長マトリクス

「自社が今後どのような市場に参入し、どのように展開していくのか」を決めたいときはアンゾフの成長マトリクスで分析することをおすすめします。アンゾフの成長マトリクスとは「新規と既存」、「市場と製品」をそれぞれ組み合わせて経営課題を解決する手法です。 例えば「新規市場」と「既存製品」の組み合わせであれば「新規市場でシェアの確保と拡大を目指す」といった活動方法を決定します。

3.フレームワークをいきなり使いこなすのは難しい

3-1.顧問紹介を利用し、経営のアドバイスをいただくことが近道

今回はフレームワークについて紹介してきました。経営課題を解決するにはフレームワークを使用しますが、1つだけ注意すべきことがあります。それが「フレームワークをしっかりと使いこなしている」ことです。
経営課題を解決するためのフレームワークも使いこなさないと十分に効果を発揮されません。とはいえ使いこなすには時間がかかるため、今すぐに何とかしてほしいと思うこともあるでしょう。そうしたときはマイナビの顧問を利用してみてください。経営のプロからアドバイスはもちろんのこと、フレームワークの使い方やコツなどもレクチャーいただけます。

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